
Z会は、東大、京大を始めとして、大阪大、名古屋大、東北大、早稲田、慶応といった難関大学や医学部医学科を目指す人に向けた教材である。
Z会の教材は問題が選び抜かれている。良問揃いだ。受験勉強というのは、如何に効率よく学習するかに尽きる。その点Z会は、限られた少数の問題で、大きな成果が出るような工夫を凝らした問題ばかりだ。
大きな成果が出るZ会。しかし、できる人は限られる。といってもハードルはそこまで高くはない。Z会の難易度や、評判、どのような層の受験生におすすめなのか説明する。
Z会の勉強法については下の記事で述べた。
Z会 浪人 独学 | Z会は大学受験の裏技である
Z会の歴史
旧制中学の教師、藤井豊が、東京の淀橋(今の新宿)で「実力増進会」という通信添削事業を始めたのが始まりだ。
Z会には「百の聴講より一の実践」という理念がある。
これは藤井豊の旧制中学での経験が元になっている。生徒たちに、辞書持ち込み可という条件で模擬テストを数回実施した。すると生徒たちの意欲がみるみる上がったのだ。ここから、勉強というものは「漫然と講義を聴くより、問題を自分で解き、わからなければ自分で調べ、考え、書くという学習の方が、効果が高い」という確信に至った。
この考えは今のZ会にも脈々と受け継がれているのだろう。考えたり調べたりすることで、ギリギリ解ける難易度の良問ばかりだ。僕はZ会の問題を解くことで、問題を解く能力が飛躍的に上昇した。
余談だが、Z会の名前の由来が格好いいので書いておく。かつては、大々的にCMなどで宣伝せず、口コミ(主に進学校)にのみに頼っていた。それ故に、難関大受を目指さない人や、大学に進学しない人には全く知られることがなかった。難関大学志望者しか知らない企業だったのだ。「知る人ぞ知る」情報であるがゆえに、難関大受験生の中で増進会を「Z会」と呼ぶようになったのが始まりだ。
知的レベルが高い人しか知らない「Z会」。なんとも格好いい。
Z会の難易度や問題の質
Z会は言うほど難しくない
よく、Z会はレベルが高過ぎると言われる。しかし、実際に解いてみると難し過ぎるということはない。旧帝大の過去問にはもっと難しい問題がたくさんある。旧帝や早慶の中~中の上くらいの難易度に綺麗に揃っている。
大学受験の範囲を一通り勉強した後なら、時間をかけてゆっくり考えたり、調べたりすれば全て解ける。河合塾の全統記述模試で偏差値50後半であれば十分太刀打ちできるレベルだ。
Z会の難易度は、旧帝早慶志望者に必要とされるレベルで、高過ぎるということはない。
Z会の問題の質
Z会の問題は品質がいい。丁寧に作りこんだ良問ばかりだ。どの問題も、複数の解法が存在していたり、解答までに複数のステップが必要になったりする。1問解くごとに力が付いているのが実感できる。
確率のある問題では、しっかり解くと紙一杯の記述が必要だった。しかし、視点を変えてあることに気付くと2行で記述できる面白い問題も存在した。紙いっぱいの計算をしたあとに2分の1という数字が出て、「あ、そりゃ2分の1だろ」と気付いた思い出がある。
Z会は、1問1問力になる問題ばかりで、中には興味深い問題も存在する。良問揃いと言える。
Z会の評判
Z会は概ね良い評判が多い。しかし、問題数の少なさや、難易度が高いことに低評価をしている方も見られた。僕は、問題の少なさや難易度の高さこそがZ会の売りなのだと思うが。。。
Z会についての様々な評判をまとめてみた。
- 予備校の料金より圧倒的に安かったです。始めは予備校も考えていましたが、結局料金が安いZ会を選びました。志望大学に合格できたので大満足です。
- 人と関わらなくていいので無駄なストレスを感じずに済みました。自分の好きな時間にできるので予定を立てやすかったです。
- 値段は確かに安いけど問題数も少なかった。これなら参考書を買った方がマシ。
- 数学の記述で悩んでいたときにZ会を発見しました。数学だけとって、2カ月で偏差値が10伸びました。他の科目も取っておけばよかったです。
- 添削が的確でした。ずっと勘違いしていたところに気付けて役に立ちました。
- はじめ問題数が少なくて大丈夫かと思ったけど、補助教材として使えばちょうどいい分量だった。毎月送られてくるので勉強のメリハリもついた。
- 全然解けずに3か月目から溜まってしまいました。
- 友達と一緒に考えて全部解きました。面白い問題が多くで楽しかったです。
Z会をやるべき人
Z会の難易度は旧帝や早慶の平均レベルの問題だ。そういうレベルの問題を、時間をかけたり調べたりすれば解ける、という人たちが対象となる。次の2つの条件に当てはまれば、Z会を受けるべきだ。
- 旧帝・東工大・早慶・医学部医学科・東京理科大等の難関大学志望者
- 河合塾全統記述模試で偏差値55以上 or 大学別模試でD判定以上
Z会は難関大学の人しか相手にしていない。当然、MARCHや地方国公立大学志望の人にはオーバーワークになってしまう。
河合塾の全統記述模試で偏差値55以上の方や、大学別模試でD判定以上であれば、一通りの勉強は終わっているだろう。あとは応用力や記述力を付けるだけだ。そういう人にZ会はおすすめである。
Z会の添削はめちゃくちゃ質が高い
添削のアドバイスは非常に丁寧だ。ネットでは、雑であると書いてあるサイトがあったが、そんなことはない。
本気で取り組んだ解答には、採点者も本気で添削してくれた。また、「ここもっと上手く計算したかった」とか「計算ミスを減らすポイントを知りたい」とか「ここの論理はどこまで書けばいいのか」など、解答にメモ程度に書き込んでおくと、丁寧に有効なアドバイスを記して返してくれた。
おそらく「添削が丁寧でなかった」という人は、完璧に解答したのか、でたらめに解答したのかのどちらかだろう。完璧なら添削の必要はないし、でたらめなら添削のしようがない。
しっかり考えて、無理やりにでも解答を書き上げれば、丁寧なアドバイスは返ってくる。また、記述で気になったところを記しておけば、有効なアドバイスを貰えるのも大きい。
僕はZ会の添削は優れていると感じた。
Z会の唯一のデメリット
そんなZ会にもデメリットはある。通信教育の特性上、仕方がないのかもしれないが、返却が遅いのだ。返ってくるのが解いた1カ月後だ。
まあ、1カ月後でもこれといった問題はない。
Z会のメリットは量り知れない
Z会は問題の質が高く、旧帝や早慶や医学部医学科といった難関大志望者にとっては、難易度も適切である。1問1問が作りこまれていて、解くごとにめきめき力がつく。
ただ、問題は簡単ではないので、取り組むには河合塾の全統記述模試などで、偏差値55程度は必要である。
また、採点や添削も丁寧で、気になった点などを書き込めば、有効なアドバイスも貰える。
デメリットは解答の返却が遅いことだ。しかし、デメリットに比べて、メリットは量り知れない。ある程度、大学受験の範囲を勉強し終えた浪人生や、進学校の高校生には特におすすめである。
問題の難易度や分量は、事前に確かめておくべきだ。必ず申し込む前に資料請求をして確認しよう。
資料請求は下のZ会のホームページより。